今までは子供が自閉症と診断されると一生治らない状態だと思われてきました。原因は分かっておらず、おそらく遺伝的なものだと推測されていました。ところが最近では自閉症が完治又は改善されている例が報告されています。これを可能にしたのはココナッツオイルを使ったケトン体治療です。自閉症に伴うてんかんの頻度も低くなります。
ケトン体というのはグルコースに変わる脳のエネルギー源です。通常脳は炭水化物が分解されてできたグルコースを使いますが、炭水化物が不足している場合は肝臓で脂肪からケトン体を作ります。通常ケトン体治療というと炭水化物を極端に減らして、脂肪を大量にとる食事療法ですが、ココナッツオイルを使うと炭水化物を極端に減らさなくてもケトン体が作られます。
自閉症は脳内で慢性的な炎症が起きています。炎症というのは脳内で細菌感染や損傷などの緊急事態が起きていて、脳の免疫細胞が常に活動している状態です。この原因となるのがワクチン、伝染病、アレルギー、環境汚染、食品添加物、薬品などです。脳細胞は慢性的な脳の炎症が原因でグルコースをうまくエネルギー源として使えなくなります。
ケトン体治療ではケトン体がグルコースの代わりに脳細胞のエネルギー源になります。ケトン体はグルコースよりも燃費がよく、酸化で作られるフリーラジカルが少なくなり、慢性な炎症が抑えられます。さらにケトン体は脳細胞の脂質の材料になり、損傷した細胞を修復し、新しい脳細胞を生成させて、自閉症の状態を改善します。
自閉症の場合は胃腸の機能が低下していることが多く、小麦のグルテンと乳製品のカゼインをとらなくすると状態が改善することがあります。小麦と乳製品をとらなくなると、炭水化物の摂取量が少なくなるのでココナッツオイルをとるとケトン体が多く作られます。ココナッツオイルは腸内の悪玉菌を退治してくれるのでさらに効果があります。
ケトン体質になるとがん細胞が死んでいきます。がん細胞は低酸素な環境を好みますが、ケトン体は酸素の供給を増やすのでがん細胞は住みにくくなります。さらにがん細胞はグルコースをエネルギー源としますが、ケトン体質になるとグルコースが少なくなるのでがん細胞は苦労します。脳のがん細胞は脂肪をエネルギー源にできないので死んでいきます。
自閉症やがんが改善するだけではなく、ケトン体治療でアルツハイマー病やパーキンソン病などの脳疾患にも効果があります。